2004年9月5日(日)14:00〜15:20
大阪市立阿倍野市民学習センター講堂 
《入場無料》

おかげさまで無事終演しました。ありがとうございました。本番の様子はこちら

 
井上芙沙子 画

<メッセージ>
 音楽やリズムに身を委ねること(踊る、歌う)はすごく気持ちのいいものです。
踊ることや歌うことは「祈り」に似ていると私は感じています。
神さまの違いなどによって祈りの方法は様々ありますが、宗教に関係なく祈りとは本来、自己から開放されて目に見えない何か大きな力に身を委ねている瞬間だと思うからです。
人は自己と対峙すればするほど、逆に自己から解き放たれ、癒されていくのだと思います。身体(声)を通じての表現は、そのための優しく美しい方法になり得ると私は思います。
 この「ふしぎタペストリー」では、様々な形の身体による表現をたて糸、声による表現をよこ糸として、子どもからおとなまでが様々な色の糸となってタペストリーを織り上げていきます。
そして、仕上げのひと筋の糸は、お客さまにお願いしたいのです。
私も出演する人たちもまだまだ修行真っ最中ですが、身体や声による表現を通じて、忙しい日常の中にほんのひととき「祈り」のある時間を、そこにいるすべての人たちで共有できたらこんなにうれしいことはありません。

「ふしぎタペストリー」工房 織り人 山下未奈子


<内容>

1、
ふしぎタペストリーのうた 阿部和子

2、もりのなか エッツ(絵本朗読+映像)巽 花子

3、
注文の多い料理店  宮沢賢治(朗読) 朗読サークル 名作を読む

4、
ややこしや にほんごであそぼう(声+ダンス) 帝塚山少年少女合唱団

5、
こきりこ節 富山県民謡(お囃子+ダンス) 帝塚山少年少女合唱団+男声合唱団ネクスト

6、竹取物語 作者不詳(朗読) 阿部良行

7、
竹 萩原朔太郎(朗読+ダンス) 山下未奈子

8、
竹林のコラール 阿部和子(男声合唱アカペラ) 男声合唱団ネクスト

9、
枕草子 より 春夏秋冬 清少納言
 1)
 (朗読+ダンス)正木文乃
 2)
 (朗読+ダンス)巽 花子、山下未奈子
 3)
ほたるこい 東北民謡(児童合唱) 帝塚山少年少女合唱団
 4)
 (朗読+ダンス)三井久子
 5)
秋の夜の会話 草野心平(朗読) 森 裕一朗(7歳)、泉 雄喜(5歳)
 6)
 (朗読+ダンス)巽、正木、三井、山下
10、
うれしそうに君はどこ行くの? 山下未奈子作詞、阿部和子作曲(詩+歌+ダンス)帝塚山少年少女合唱団

<出演>
山下未奈子
巽 花子
帝塚山少年少女合唱団
朗読サークル「名作を読む」 
(上山智加子、寒河倫子、川島睦子、西端信枝、古田綾子、山代智子、南野澄子)

=特別出演=
阿部良行
阿部和子、松浦敦子

ステージマネージャー 砂川尚美
製作 山下 満/挿入曲 阿部和子、メイク 乾 彰子/衣装と小道具 巽 花子、山下未奈子/サポート 田深光世、帝唱父母会/記録・サリー/遠藤絵理子

構成・作詞・振付 山下未奈子 

表紙画 井上芙沙子

大阪市出身、埼玉県比企郡嵐山町在住。画家、ナチュラリスト。東京で美術を学んだ後、農業をしながらシュタイナーの実践を行う。絵画のほかにストーンアート、人形製作とパフォーマンス、ひょっとこ踊りなどその表現方法は自由で豊かである。

協力:音楽事務所あべぷらん abeplan.com


=ことば集=

「ふしぎタペストリーのうた 〜うれしそうにあなた、どこ行くの?〜」
山下未奈子作詞  阿部和子作曲

うれしそうにあなた、どこいくの?
 市場に行くの 月光百合(げっこうゆり)のたねをかいに
そのたねを かっていったいどうするの?
 植えておおきくそだてます そしてお花をさかせます
それじゃああなたは花屋さん?
 いえいえわたしは ただのこども
月光百合の花びらで 月の光がつゆになる
 そのつゆを ガラスのこびんにあつめるの
あつめていったいどうするの?
 生まれたばかりの赤ちゃんの お顔に照らしてあげるのよ
そうなの それはくすぐったいね
きっとにっこりほほえんで しずかにねむることでしょう
ルアナルラルラ フラナンヨラナン
ルアナルラルラ ネムレネムレ

いそいであなたどこいくの?
 さびしいひつじをさがします
さ び し い ひ つ じ?
 さびしいひつじの毛はしんなりと やさしい色にそまります
それじゃああなたは毛糸やさん?
 いえいえわたしは ただのこども
夕焼け色に染め上げた 毛糸で編んだマフラーを
 遠いねえさんにプレゼントするために
そうなの それはやわらかいね
 ねえさんの 白い首にも そうでしょう
ヤオレ ソハイ アイヤイヤ
ユオレヨソ ハイヤイヤ
ヤオレ ソハイ アイヤイヤ
ユオレヨソ ハイヤイヤ

『竹取物語 冒頭』
いまはむかし、竹とりの翁といふもの有けり。野山にまじりて、たけをとりつつ、よろづの事につかひけり。名をば、さかきのみやつことなむいひける。その竹のなかに、もとひかる竹なむひとすぢありけり。あやしがりてよりて見るに、つつの中ひかりたり。それを見れば、三寸ばかりなる人、いとうつくしうていたり・・・


「竹林のコラール」
阿部和子 作詞作曲

山の端(は)に 日は落ちて
夕闇に 光る螢火
村里に 灯揺れ
人の世に 平安あれ
平安あれ 

「竹」 萩原朔太郎
光る地面に竹が生え、
青竹が生え、
地下には竹の根が生え、
根がしだいにほそらみ、
根の先より繊毛が生え、
かすかにけぶる繊毛が生え、
かすかにふるえ。
かたき地面に竹が生え、
地上にするどく竹が生え、
まっしぐらに竹が生え、
凍れる節節りんりんと
青空のもとに竹が生え、
竹、竹、竹が生え。

「枕草子」 清少納言
はるはあけぼの。やうやうしろくなり行く、山ぎはすこしあかりて、むらさきだちたる雲のほそくたなびきたる。
夏はよる。月の頃はさらなり。やみもなほ、ほたるの多く飛びちがひたる。また、ただひとつふたつなど、ほのかにうちひかりて行くもをかし。雨など降るもをかし。
秋は夕暮れ。夕日のさして山のはいとちかうなりたるに、からすのねどころへ行くとて、みつよつ、ふたつみつなどとびいそぐさへあはれなり。まいて雁などのつらねたるが、いとちひさくみゆるはいとをかし。日入りはてて、風の音むしのねなど、はたいふべきにもあらず。
冬はつとめて。雪の降りたるはいふべきにもあらず、霜のいとしろきも、またさらでもいと寒きに、火などいそぎおこして、炭もてわたるもいとつきづきし。昼になりて、ぬるくゆるびもていけば、火桶の火もしろき灰がちになりてわろし。

「こきりこ節」
こきりこのお竹は 七寸五分じゃ
ながいは袖のかなかいじゃ
マドのサンサもデデレコデン ハレのサンサもデデレコデン

向いのお山を担(かづ)ことすれば
荷縄が切れてかづかれん
マドのサンサもデデレコデン ハレのサンサもデデレコデン

「ほたるこい」
ほほほたるこい あっちの水はにがいぞ こっちの水は甘いぞ
ほほほたるこい 山道こい あんどのひかりをちょとみてこい
ほたるのおとさん 金持ちだ どうりでおしりがぴかぴかだ
ほほほたるこい ほほ山道こい
てんじくあがりしたれば つんばくらにさらわれべ

「秋の夜の会話」 草野心平
さむいね。
ああさむいね。
虫がないてるね。
ああ虫がないてるね。
もうすぐ土の中だね。
土の中はいやだね。
痩せたね。
君もずいぶん痩せたね。
どこがこんなに切ないんだらうね。
腹だらうかね。
腹とったら死ぬだらうね。
死にたかあないね。
さむいね。ああ虫がないてるね。